あのメモ、どのアプリに書いたっけ?

ToDoリストが整理しきれない…

チームの資料があちこちに散らばって、探すのが大変!

などと困っていませんか。情報管理に悩みやストレスを感じているなら、「Notion(ノーション)」が解決策になるかもしれません。

Notionでは、仕事やプライベートに関するあらゆる情報を一つの場所に集約し、データベースで自在に整理できます。しかし、多機能すぎてよく分からない、と感じる方も少なくありません。

この記事では、Notionの特徴と基本操作、一歩進んだ便利な機能、活用術、料金、よくある質問について解説します。画像も使って分かりやすく解説しますので、ぜひ参考にしてください。

Notion(ノーション)は、非常に高機能なメモ帳に例えられます。「ページ」と「データベース」が機能の根幹で、個人の情報整理からチームでの共同作業まで幅広く活躍します。

Notionの大きな特徴は、多彩な機能がありながらも直感的に扱える、シンプルな操作性です。入力した情報は、パソコンやスマートフォン、タブレットなど複数のデバイス間で常に同期され、更新の手間なく最新版にアクセスできます。

こうした特徴を生かして、仕事やプライベートのあらゆる記録を一箇所に集約し、自由に整理・検索できる懐の深さがNotionの魅力です。2022年に日本語版が正式にリリースされたことで、日本での利用もさらに広がっています。

高機能にもかかわらず、個人利用ならほとんどの機能を無料で使える点も、Notionが選ばれる大きな理由でしょう。本記事では、そんなNotionの基本的な使い方から活用方法まで、初心者にも分かりやすく解説していきます。

まずはNotionの基本を押さえましょう。Notionにはアプリもありますが、パソコンならブラウザ版でもストレスなく操作できます

ここではパソコンのブラウザ版を使って、アカウント登録、画面構成、知っておきたい基本操作について説明します。

アカウント登録

Notionのサイトで「Notionを無料で始める」ボタンをクリックすると、アカウント登録画面に遷移します。英語表示になっている場合は、左上の設定から言語を変更しましょう。

登録方法は以下から選択できます。

  • Googleアカウント
  • Aooleアカウント
  • Microsoftアカウント
  • パスキー
  • シングルサインオン(SSO)
  • メールアドレスでの登録

連携したいツールに合わせて選んでもよいでしょう。

登録方法を選択したら、画面に従って手続きを進めます。使用目的や具体的な用途も聞かれるので選択しましょう。最後に料金プランを選ぶと登録完了となり、Notionの初期画面に遷移します。

Notionの画面構成

Notionの画面構成は以下のようになっています。

左のサイドバーに並んでいるのは、主なメニューとページ一覧です。ここからページを選択すると、右の広い枠に表示されます。上部のトップバーは、左端に現在のページ名が表示され、右端には共有メニューや編集メニューがあります。

基本の3要素|ページ、ブロック、データベース

ここではNotionの基本となる3つの要素について、概要と操作方法を説明していきます。

ページ

Notionにおけるすべての情報は、「ページ」という単位で作成・管理されます。Notionのページには、ほかのページを埋め込んだり、データベースを作ったりもできます。紙のノートのページより、情報をまとめる単位としてイメージすると分かりやすいかもしれません。

新しいページを作るには、サイドバーの「新規ページを追加」をクリックします。テンプレートも選べる画面が表示されますが、最初はシンプルな「白紙のページ」を作ってみましょう。

白紙のページができました。ページにはタイトルを付けられるほか、アイコンやカバー画像を設定して、見た目を分かりやすくできます。

ブロック

Notion上のテキストや見出し、画像など、すべての要素は「ブロック」という単位で構成されています。一つひとつのブロックを自由に組み合わせて、ページ全体を作り上げていきます。

Notionには多様なブロックが用意されており、これらを組み合わせることで表現の幅が大きく広がります。代表的な種類は以下のとおりです。

  • テキスト(プレーンな文章)
  • 見出し(3階層:H1, H2, H3)
  • ページ(他のページの埋め込み)
  • 箇条書きリスト
  • 番号付きリスト
  • ToDoリスト
  • トグルリスト(表示/非表示を切り替えられるリスト)
  • 引用
  • テーブル(表)
  • 目次
  • 区切り線

ブロックの利便性は、動かしやすさと変更の容易さです。移動については、各ブロックにカーソルを乗せると「⋮⋮」で表示される「ハンドル」をドラッグするだけです。複数のブロックを選択して、まとめて移動することもできます。

また、ハンドルをクリックすれば、ブロックタイプの変更も簡単です。たとえばテキストブロックだけで集中して書いた後に、一気に見出しやリストへ変換すると、作業効率化になるかもしれません。

データベース

Notionのデータベースは、多数のページをまとめて管理できる高機能な書類棚に似ています。大きな魅力は「ビューの切り替え」機能です。同じデータでも、シンプルな一覧(テーブル)、進捗管理に適したカンバン形式(ボード)、日付で管理する(カレンダー)など、目的に応じて見た目を変更できます

テーブル形式はExcelやスプレッドシートのように見えますが、1行ごとに独立したページが入っているのが大きな違いです。そして、ページごとに日付や担当者、ステータスといったプロパティ(情報)を付与して整理できます。絞り込み表示も可能です。

データベース自体も一つのページであり、「新規ページを追加」から作成します。「おすすめ」に表示されているサンプルをクリックすると、入れたいプロパティを選択して簡単に作成できます。

最初は難しく感じるかもしれませんが、まずは仕組みに触れてみるのがおすすめです。後述するテンプレートを導入したり、Notion AIに「タスク管理用のデータベースを作って」と頼むのもよい方法です。慣れてくると、だんだんNotionの使い方がデータベース中心になってくるでしょう。

基本のショートカットキー3選

ここでは、覚えておくとNotionがはかどるキーボードショートカットを3つ紹介します。

1. Shift + Enter|ブロック内で改行する

Notionでは、改行のつもりでエンターキーを押すと、新しいブロックが作られます。しかしブロックをまとめておいたほうが、後で移動しやすく便利な場合もあります。ブロック内で改行したいときはShift + Enterと覚えておきましょう。

2. /(スラッシュ)|ブロックを呼び出す

マウスやトラックパッドでもブロックを選べますが、キーボードだけで操作すると時短になります。スラッシュ(/)を押すと選択肢が表示され、続けてブロック名を入力すれば絞り込み検索が可能です

また、ブロックの種類を変えたいときは、Cmd(Mac)/Ctrl(Windows)+スラッシュ(/)で切り替えられます。

3. +(プラス)|新規ページ埋め込みや既存ページへのリンク作成

プラス(+)コマンドは、Notionでページ同士をつなげるときに便利なショートカットです

他のページへリンクを貼る方法としては[[(ダブルブラケット)もありますが、プラス(+)のほうが直感的で覚えやすいのでおすすめです。

ここでは、基本から一歩進んだ機能を3つ紹介します。テンプレート、外部ツール連携、Notion AIです。

テンプレートの利用

Notionの魅力の一つが、豊富なテンプレートです。公式のマーケットプレイスでは、無料・有料あわせて3万以上のテンプレートが配布されており、ナビゲーションバーの「テンプレート」から簡単に検索できます

テンプレートは、データベースごと自分のワークスペースにコピーできるため、細かい設定の手間がありません。機能性・デザイン性に優れた以下のようなページを、すぐに使うことができます。

  • タスク管理
  • プロジェクト進捗管理
  • チームで使う社内Wikiや議事録
  • ポートフォリオサイトの雛形

テンプレートは、Web記事内やオンラインコミュニティなどで独自に配布されていることも多く、自分に合ったものを見つけるのも楽しみの一つです。

外部ツール連携

Notionは情報を整然とストックするのは得意ですが、自由に発想を広げたい場合は物足りないでしょう。また、リアルタイムのコミュニケーションや、細かいスケジュール管理も苦手です。

こうした弱みを補うには、以下のような外部ツールとの連携が便利です。

  • ホワイトボードツール:MiroやFigJam
  • チャットツール:Slack
  • スケジュール管理:Googleカレンダー

Notionでは多彩な外部ツールと連携できる仕組み(インテグレーション)を備えており、必要なツールを自分のNotionとつなげる(コネクト)ことで、作業の効率化につながります。

Notion AIの利用

Notionに搭載された「Notion AI」の最大の特徴は、Notionに蓄積された情報との連携です。たとえば、以下のようなNotionならではの使い方が可能です。

  • 過去の議事録やメモを元にコンテンツを生成
  • ワークスペース内や連携先の外部ツールを横断検索
  • 個人のニーズに合わせたデータベースの自動生成

もちろん文字起こしや文章の編集といった仕事も頼めます。セキュリティに関しても公式に明言されており、データがユーザーの許可なくAIの学習に使われることはありません。

Notion AIは、無料プランでも回数制限付きで利用できます。まずは無料の範囲で、自分だけの情報と連携するAIの力を体験してください。

ここでは以下の6つの活用方法を紹介します。どの使い方で課題を解決できそうか、ぜひ考えながら読んでみてください。

  • タスク管理
  • 読書記録
  • 議事録の作成・管理
  • プロジェクト管理
  • 社内Wiki
  • ホームページ代わりに公開

タスク管理

Notionをタスク管理ツールとして使う場合、最も手軽なのは「ToDoリスト」ブロックを並べる方法です。日々の細かなタスクをシンプルに管理でき、入れ替えも簡単にできます。

目標と連動したタスク管理など、本格的に使う場合はデータベースの活用がおすすめです。各タスクに「カテゴリ」「期限」「優先度」といったプロパティを設定し、カレンダービューでスケジュールを確認したり、ボードビューで進捗を管理したりと、多角的なタスク管理が実現します。

画像引用:デザイナー、スワンさんのマルチタスクの鍵は、ToDoの”見える化”|Notion

読書記録

Notionは読書記録にも最適です。書籍ごとにページを作成し、心に残ったフレーズや自分の考えを書き留めておけば、いつでも引き出せる自分だけの知的資産となります

データベースを使えば、「著者」「ジャンル」「読了日」といった情報で本を整理でき、いっそう見返しやすいでしょう。

画像引用:本テンプレート|Notionマーケットプレイス

議事録の作成と管理

議事録の作成と管理もNotionの得意分野です。設定すれば、議事録のひな形をワンクリックで作成できます。「Notion AI」に音声の文字起こしや要約を任せることも可能です(無料およびプラスプランでは回数制限があります)。

作成した議事録は「会議の種類」や「出席者」でタグ付けしてデータベースで保管すれば、後からの検索も簡単です。さらに、議事録内のタスクをチームのToDoリストに連携させるなど、作った記録を次のアクションへ繋げられます。

画像引用:Notionを使ってマネージャーが全メンバーの動きを正確に把握する方法|Notionヘルプセンター

プロジェクト管理

Notionでは、複数の部門が関わる複雑なプロジェクトも一元管理できます。データベースの「ボードビュー」を活用すれば、各タスクをカードとして並べ、「未着手」「進行中」「完了」といったステータスごとに進捗を視覚化できます。部門ごとのアイコン設定やタスクの絞り込みも簡単で、チーム全体の作業状況を一目で把握可能です。

画像引用:Notionを使ってマネージャーが全メンバーの動きを正確に把握する方法|Notionヘルプセンター

社内Wiki

Notionは、会社内の情報をまとめた「社内Wiki」の構築にも最適です。福利厚生の規定や新入社員向けガイド、経営陣からのメッセージといった、社内のあらゆるドキュメントをNotionに集約できます。社員が必要な情報を自分で探し出せるため、組織全体の生産性が向上するでしょう。

ページやデータベースごとに「マーケティングチームのみ編集可能」といった柔軟な権限設定もできるため、会社の情報を安全かつ効率的に管理可能です。

画像引用:Notionを使ってマネージャーが全メンバーの動きを正確に把握する方法|Notionヘルプセンター

ホームページ代わりに公開

Notionで作ったページを、ホームページとして公開することも可能です。「Notionサイト」と呼ばれるこの機能では、企業のホームページから個人のポートフォリオまで、コーディングの知識なしで作成できます。

テキストや画像だけでなく、動画や音声、アンケートフォームなども自由に埋め込めるため、自由に活用してみましょう。本格的なサイト運営に欠かせないアクセス解析ツールとの連携や、検索エンジンに表示させる設定も可能です。

画像引用:コーディングいらずで、瞬時に作れるNotion製のWebサイト|Notionヘルプセンター

Notionには、無料の「フリープラン」と、3つの有料プラン「プラス」「ビジネス」「エンタープライズ」が用意されています。各プランの特徴を、主な対象者を含めて表にまとめました。

フリープラスビジネスエンタープライズ
料金
(年払い)
無料1,650円/月3,150円/月
(無料トライアル
30日間)
要問い合わせ
主な対象個人
ごく小規模チーム
小規模チーム複数チーム
を持つ組織
大企業
ページと
ブロックの数
無制限(個人)
/制限あり
(メンバー2名以上)
無制限無制限無制限
ファイルの
アップロード
最大5MB無制限無制限無制限
履歴の
保存期間
7日間30日間90日間無制限
共同編集
招待できる
ゲストユーザー数
10名100名250名250名以上
チームスペース
(オープン/クローズド)
チームスペース
(プライベート)
××
Notion AI回数制限あり回数制限あり
外部ツールとの接続
エンタープライズ
サーチ(接続先
ツール含めたAI検索)
××一部ツール
で可能
一部ツール
で可能
優先サポート×
(条件により
プレミアム
サポートあり)

参考:Notionの料金プラン

個人でメモやタスク管理、Webページの作成などを行う場合は、フリープランで十分です。機能制限はほとんどなく、安心して使い続けられます。

また、10名までの小規模なチームであれば、フリープランのまま共同編集が可能です。チームでNotionを試してみたい場合にも最適です。

一方で、以下のような場合は有料プランへのアップグレードを検討しましょう。

  • チームでの利用が活発になってきた場合
  • Notion AIを継続的に使いたい場合
  • より高度なセキュリティや管理機能を求める組織

フリープランをチームで利用する場合は、ブロック数の制限があります。チームで本格的に情報共有を行い、ブロック数の上限に達しそうな場合はプラスプランへの変更がおすすめです。

Notion AIは、フリーおよびプラスプランで回数制限があります。無制限に利用するには、ビジネスプラン以上への加入が必要です(2024年6月現在)。

また、従業員が100名を超えるような大規模な組織や、高度なセキュリティ機能を必須とする場合は、ビジネスプランやエンタープライズプランが選択肢となります。

最後にNotionに関するよくある質問に回答します。

機能がありすぎてよく分かりません

Notionには多くの機能がありますが、すべてを使いこなす必要はありません。筆者自身も、Notionはメモの整理を中心に使っており、日常的に使う機能はごく一部だけです。

まずはページを1つ作って、思いついたことをメモしてみてはいかがでしょうか。やりたいことに合わせて、使いながら慣れていけば大丈夫です。

スマホのブラウザでは使えないのですか?

スマートフォンならモバイルアプリがおすすめです。ブラウザからも使えますが、表示や操作がスマートフォンに最適化されておらず、やや扱いにくいでしょう。

モバイルアプリなら、操作メニューの多くがアイコンで並んでおり、直感的に操作しやすいです。以下からダウンロードできるので、ぜひ使ってみてください。

外部リンク:Apple App Store

外部リンク:Google Play Store

セキュリティは大丈夫ですか?

Notionは国際的な基準や業界ルールに従って設計された、安全性の高いセキュリティ体制を整えています。通信や保存データはすべて暗号化されており、企業の利用も多く、基本的には安心して使えます

ただし、より安全に使うためには、以下のようなユーザー側の注意も大切です。

  • ページの共有設定に注意する
  • メンバーの権限を適切に設定する
  • 会社のルールに従って情報を取り扱う

ページの共有設定は、画面右上の「共有」から確認できます。また、ワークスペース全体の設定は、画面左上のワークスペース名をクリックして「設定」から確認できます。

社内の情報を誤ってWeb上に公開しないためにも、必ず確認しましょう。

参考:セキュリティ対策|Notionヘルプセンター

Notionの特徴と始め方、押さえておきたい機能、具体的な活用術、料金プラン、よくある質問について解説してきました。

Notionは圧倒的な機能性が魅力です。しかし、あまりに自由度が高いため、初心者の方は「何から手をつければいいか分からない」と戸惑ってしまうのも事実です。

大切なのは、いきなりすべてを使いこなそうとしないことです。まずは「議事録管理」や「TODOリストの管理」など、目的を一つに絞って試してみましょう。「これを実現したい」という軸が決まれば、必要な機能は自然と見えてきます。初心者向けのテンプレートを探すのもよいでしょう。

Notionは、あなたの思考や情報を整理するための強力なパートナーです。この記事を参考に、ぜひあなただけの使い方を見つけてみてください。

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